第2章 はじまりの日(イケ戦プロローグとほぼ同内容)
驚く私に、佐助くんが説明してくれたことによると………
佐助くんがタイムスリップした先は、上杉謙信が倒れた現場で………
私が織田信長を助けたのと同じように、上杉謙信の命を助けたらしい。
日本史の通りなら、そのときに上杉謙信は死んでいたはずなのに。
その上同じように、本来は死んでいるはずの武田信玄とういう武将も、この世界では生きているのだと、佐助くんは教えてくれた。
「信じられない……。めちゃくちゃだよ」
佐助「でも事実なんだ。ここはオレたちの知ってる戦国時代じゃない。
タイムスリップした瞬間に時空が歪んで、歴史が変わったんだ」
(タイムスリップ………別の歴史って………まるでSF映画だ)
佐助「俺は大学で宇宙物理学を専攻してて、個人的にタイムスリップ理論を研究してた。
ワームホール出現のパターンと条件を割り出すことに成功して……。
あの日、あの場所で、自分の研究が立証できないか考え込んでいたんだ」
(佐助くんは私と同じ現代人だけど、武将と同じレベルで変わってるな)
佐助「同じ場所にいた舞さんも、タイムスリップしただろうと予想して探してたけど………。
俺より4年後に飛ばされてたのは予想外だった」
「夢じゃないよね、これ……」
佐助「ああ、幸運にも。自分の目で戦国武将を見られるとは思わなかった」
「え、幸運……?」
佐助「親の影響で日本史は昔から好きなんだ。佐助って名前も猿飛佐助からとったらしい。
せっかくだから今は猿飛佐助と名乗ってる。架空の人物だし歴史に影響しないだろうから」
「でも、なんで忍者になってるの?戦国時代で修行したってこと?」
佐助「ああ。無職ではいられないから手に職をつけた」
(すごい適応能力……)
呆れる私に、佐助くんが手を差し伸べる。
佐助「そういうわけで俺は、ある武将たちのもとで働いてる。
君も一緒に来ればいい。帰る方法は、必ず俺が見つける」
(ちょっと変わってるけど………今、佐助くん意外に頼れる相手はいない)
手を取ろうとした、次の瞬間………
秀吉「舞、どこだ?」