第2章 はじまりの日(イケ戦プロローグとほぼ同内容)
???「いってー……」
「!すみません」
体格のいい男の人が、私の下敷きになっていた。
(早くどかなきゃ!)
???「っ……ばか、待て!」
立ち上がった途端、背中から抱きしめられる。
(……!目の前、崖だったんだ)
???「あー………焦った……」
「ありがとうございます、助けてくれたんですね」
振り向くと、鼻先が触れそうになるほど近くに彼の瞳が迫っていた。
「………!」
(わ……っ)
???「礼なんていらねーから離れろよ」
「は、はい!」
(イケメンのドアップは心臓に悪い……っ)
急いで離れようとして、手首をギュッと!掴まれる。
???「まて、急に動くな」
「えっ、でも、離れろって言ったじゃない」
???「滑りやすくなってるから足元ちゃんと見ろってことだ。
それくらい見てわかれよな」
(現代人にそんなスキルないよ……!って言っても通じないよね)
「すみません……」
???「っ……別に、怒ってるわけじゃねー。
きつい言い方して悪かったな。ほら、こっち来い」
苦笑して、彼は大きな手のひらを差し出した。
「ありがとう」
(ぶっきらぼうだけど、悪い人じゃないみたい……)
差し出された手を取り、崖の縁から離れると……
???「んー?知らない土地に来て、早速女の子引っ掛けたのか、幸(ゆき)」