第25章 初陣(7)
自分の天幕にひとまず戻り着替える。
(よし……)
戦についていくと決めた時に何着か作った袴をはき、髪を結って一息。
(あ、そうだ………)
昨日見つけて押し花にしていた四つ葉を取り出し、
持ってきていた紙に包んでいく。
(せめて信長様と三成くんと政宗さんの分だけでも……間に合うかな、やってみよう。)
包帯に使えるかも、と余分に持ってきていた着物を破き、携帯している裁縫用具で作業を進めていった。
三成「舞様……」
政宗「舞ー。朝餉だ、来い。」
(間に合った……)
三刻ほどしただろうか、三人の分を作り終えた所でちょうど呼ばれたので、三つのお守りを持って出る。
「あの、三成くん、これ。政宗も。」
お守りを渡すと二人共受け取ってくれた。
政宗「二つもくれるのか?」
「え?」
政宗「この羽織。これにもお守りが仕込まれてただろ。
ほら。」
そう言って政宗が内ポケットからお守りを取り出す。
「気づいてたの?」
政宗「普通気づくだろ。な?」
三成「ですね、ありがとうございます。舞様。大切にします。同じ所に入れておきますね。」
そう言って二人共内ポケットに二つのお守りを入れてくれた。
みんなが集まる所まで来て、無意識に信長様を探す。
三成「………信長様なら、もうすぐいらっしゃると思いますよ。」
「え!?あ、ありがとう……」
何も言っていないはずなのに見透かしたように言われて驚く。
振り返ると目が合ってしばし見つめあっていると……