第24章 初陣(6)【R15かな…?】
私の頭にぽん、と手を乗せた。
秀吉さんがいつもするように、…それよりずっと不器用な手つきで髪を撫ではじめる。
「???」
よく分からなくて小首を傾げると
信長様はふっと笑い、そのまま顔が近づき…
信長「貴様の髪は細くて触り心地が良いな。」
「!」
そう言って、前髪にキスを落とす。
頭は撫でたまま。
驚いて目線を上げるとひどく優しい顔をした信長様と至近距離で目が合い、逸らせなくなる。
(からかってきたたかと思えばこんな風に優しく触れたり……
人を沢山殺すのに私には死ぬなと仰ったり…
部下達のことを駒だ、とか言いながら無駄死にするなって自ら前線に立ってかばったり、疲れないようにって休ませたり労ったり……
なのにその優しさを変な理屈で隠して……)
見つめ合う信長様の瞳はもう冷たさなんて全くなくて、ただ子供みたいに無垢で真っ直ぐで、思わずその頬に手を添える。
信長「っ…!」
信長様は困ったように、怒ったようにこちらを睨んでくるけれど、手を振りほどこうとはしない。
信長「貴様は本当に…何なんだ……」
貴様に頬を奪われた記憶はない、と言ってこちらを睨むから今度は私が笑って
「じゃあもう一戦だけ、やりますか?」
初めて私から信長様に勝負を挑んだ。
…負けると分かっているのに。