第2章 はじまりの日(イケ戦プロローグとほぼ同内容)
(…あの時暗くて顔は見えなかったけど、明智光秀とは別の人だった)
秀吉「口を出すな。…舞、とか言ったな。
お前の件はあとで追及する。何の目論みで信長様に近づいたか確かめる」
そういって豊臣秀吉は刀に手をかけたままこちらを見据える。
「なんでそうなるんですか!? 私は巻き込まれただけで…っ」
信長「やめろ、秀吉。光秀がここへきた思惑はどうあれ俺は無事だ」
秀吉「っ……!信長様、失礼しました」
豊臣秀吉の手は、刀の柄から即座に離れた。
(信長様の言うことは聞くんだ………。そういえば豊臣秀吉って信長の忠実な家臣だったよね)
(この人たち、やっぱり本物みたい……)
信長「秀吉、光秀。貴様らはしばらく黙っていろ。俺は舞に話がある」
「えっ、私ですか…?」
豊臣秀吉と明智光秀がすっと左右に控え、織田信長…信長様がそばへ歩み寄ってくる。
信長「貴様は未来から来たと抜かす大たわけで、俺の命の恩人だ。
幸いを運ぶ女に違いない。気に入った」
「はい?」
目を見開くと、信長様は私の腰を強引に抱き寄せて……
信長「貴様、天下人の女になる気はないか?」
(えぇっ!?)
腰を抱き寄せられ頭が真っ白になった私は…
「すみません! 転職先、決まってるので……っ」
信長「は?」
信長様の腕を、がむしゃらに引き離し、現代から持ってきていたバックを抱えて……
……その場から逃げ出した。