第2章 はじまりの日(イケ戦プロローグとほぼ同内容)
???「御館様、ご無事でしたか」
信長「光秀…?」
(光秀って、まさか明智光秀!? 信長を裏切って謀反を起こした張本人の……?)
光秀「敵に狙われていると聞き、馳せ参じましたが…慌てる必要はなかったようですね」
信長「笑わせる。これまでに貴様が慌てたことなど一度たりともないだろう」
唖然と二人に見入っていると、また天幕をかき分け、ひとりの人が駆けこんできた。
秀吉「信長様!お怪我は!?」
信長「秀吉か。大事ない。賊は取り逃がしたがな」
秀吉「そうでしたか……」
「今度は…豊臣秀吉!?」
秀吉「……何者だ、お前。俺を知っているのか」
(いけない、びっくりしてつい…っ)
信長「その女のことは気にするな。舞といって………俺の命の恩人だ」
光秀「お前が信長様を助けたと……?
見たところただの華奢な小娘だが…豪胆な女だな」
(なんだか妖しい笑顔…。品定めされてるみたいで落ち着かない)
秀吉「--------……光秀。どうしてお前がここにいる」
光秀「お前のほうこそどうした。京にいるとは聞いてないが?」
秀吉「信長様暗殺の報を耳にして飛んできた。だが…お前まで京に向かったとの報は、俺は受けていない」
光秀「何が言いたい?」
秀吉「後ろ暗いところがないと信長様に誓えるか?」
二人は静かにお互いを見据え、急に空気が張り詰める。
(っ………そうか。豊臣秀吉は、明智光秀が信長を襲った犯人だって疑っているんだ)
光秀「後ろ暗いところがない人間なんて、この乱世にいるのか?」
秀吉「はぐらかすな。いい加減、腹の底さらせ」
怒りをあらわに瞳を光らせ、豊臣秀吉が刀の柄に手をかける。
(この人は温厚そうに見えたのに!)
秀吉「万が一、信長様に手をかけようとしたのがお前なら…容赦しない」
「その人じゃないと思います………!」
秀吉・光秀「は?」
(口出しなんてしたくないけど、刀を振り回すつもりなら黙ってられないよ)
「私は織田信長を………っ……じゃなくて信長様を襲った人物を見ましたけど、着物の形が違ってました」