第20章 初陣(2)
夕餉の時間になってもまだ胸のドキドキは治らなかった。
(みつ、なりくん……)
しかしこんなにも胸を高鳴らせた張本人の姿が見えない。
(……?)
よくよく見ると三成くんだけでなく、信長様の姿も見えなくて、
(軍議、なのかな)
そう思い当たる。
野営地とは思えないくらい豪華で美味しい料理は全て政宗の手作りだ。
政宗「みんな今日はたくさん食べてゆっくり休めよ!」
兵士達「「ありがとうございます!美味しいです!」」
政宗「俺が作ったんだから当たり前だ。」
そう言って不敵に笑う政宗は素直に格好良いと思った。
政宗「……ん?どうした?惚れたか?」
(こういう所がなければ……って何考えてるの私!?)
「違うから!…美味しい、ありがとう。」
そう言って慌てて視線を逸らす。
あっという間に夕餉の時間はすぎて、
私は天幕で明日の準備をしていた。
(結局二人とも夕餉の時間は現れなかったな…)
信長様と三成くんは二人して現れず、結局政宗が二人分の食事を取り分けて信長様の天幕へ持っていった。
(政宗は何か知ってるみたいだけど教えてれなさそうだしやっぱり戦の事なのかな…?)
夕餉終わり、片付けをしていた時した政宗との会話を思い出す。
「政宗、信長様と三成くん、二人とも結局夕餉食べなかったけど大丈夫かな?」
政宗「あぁ、そうだな。大丈夫だ、後で俺が二人の分は持っていく。…………三成のやつ、結構頑張ってるんだな。」
「?」
政宗「あー、いや、こっちの話だ。さっさと片付けて休むぞ。」
「うん。そうだね。」
(考えても仕方ないか…)
準備が終わりあとはもう寝るだけ、となり布団にもぐると………
信長「…舞。準備が終わったら外に出ろ。」
(え?)
信長様に、呼ばれた。