第2章 はじまりの日(イケ戦プロローグとほぼ同内容)
「私は五百年後くらい後の……未来から来た人間なんです!」
信長・三成「「…………」」
信長「ますます面白い。これほどの大たわけ、初めて会った」
三成「火事に巻き込まれて怖い思いをしたせいでしょうか。おいたわしい……」
(う……全然信じてない!当然かもしれないけど)
「私は本当に五百年先の時代から…っ」
三成「どうか落ち着いてください、舞様。
まずはお召し物の替えを配下の者に用意させますね。煤で汚れてしまっています」
(あ、本当だ。気づいてなかった……)
着ているシャツはあちこち黒くなり、スカートの裾が焦げている。
三成「身なりを整えれば、お気持ちも落ち着くはずですよ」
「あ、ありがとうございます…」
頭を下げた私の手を、三成さんがそっと握った。
三成「では早速お召し替えをいたしましょう、舞様」
着替えを終え天幕を出て、三成さんにお寺のそばに急遽作られた陣営へと案内された。
三成「こちらでお待ちください。今、白湯をお持ちしますね」
三成さんが外へ出ていき、織田信長とふたりきりになる。
信長「なかなか見られるようになったな」
(褒めてるつもりなのかな……?)
じろりと見つめられ居心地が悪くて、幕の外へと目を向ける。
三成さんの配下の武士たちが火を消し止めたらしく、煙は収まっていた。
(よかった……)
ほっと息をついた時、天幕へ一人の男性が静かに入ってきた。