第18章 ×××の分析(?)
………
信長様とお話して戻ってこられた舞様の赤い顔をみて、
初めて信長様になにか負の感情が湧きました。
…嫉妬、というやつなのでしょうね。
初めて舞様と城下へ言った時に見た時のような赤い顔を他の人に引き出されたくなかったのです。
……何とも分不相応で我儘な願いでしょう。
自分で呆れてしまいます。
そしてお話を聞き、
囲碁の指南をする運びになって
さっき信長様に抱いていた感情など忘れ
舞い上がってしまいました。
……私にもこんなに単純な一面があったとは。
舞様といると本当にたくさんの新しい自分に出逢いますね。
それからの毎日は今まで以上に楽しくて、嬉しくて素敵な日々でした。
そうして舞様と触れ合ううちに私は………
貴女が好きになりました。
安土の皆さんに向ける好きとは違う、特別な好き、です。
貴女だけ、違うんです。特別なんです。
…恋情と言うやつでしょうね。
だから…表向き織田家の姫であるあなたを迎えにいくために私は武功を挙げ、鍛錬をし、みなさんに認められるように頑張りたいと思います。
だからひとまず、明日は私の策と、信長様に守られて下さいね?
いつか私自身が直接貴女をお守りできるように頑張りますから、待っていてください。
とは言ったものの自覚したばかりの未熟な片思いです。気持ちが先走ってしまいました。
………分析のつもりが貴女に宛てた文のようになってしまいました。もっとも、こんな恋文のような文は出せませんが。
いつかちゃんとした恋文を送れる日を待っています。
筆を置き一息ついて、たった今書いたばかりのものをもう一度読み直す。
三成「これは……夜中にものを書くのはいけませんね。こんなもの誰かに見られたら大変です。」
三成は頬を染め乾いたその紙をまとめて元あった収納に収めた。
「舞様への気持ちを分析しようと思っていましたがとっくに答えは出ていたようですね。あとは明日に備えて睡眠をとるとしましょうか」
そして三成は眠りについたーーー。