第16章 初陣 〜前日譚〜
パチ……パチン…………
碁石を打つ音だけが響いていく……
その静寂は嵐の前の静けさのようで
なんとなく心地がいい
「………負けました。」
信長「なかなか良い試合をするようになったな。三成との特訓の成果が出ているようで何よりだ。」
「あ、ありがとうございます……」
信長「だが、負けは負けだ。……今宵はどこを奪ってやろうか。」
信長様はじろりと私を頭の先から眺める。
これもまた負ける度のことで、
初めこそ
この視線がなんとも心地悪かったものの
もう、慣れてしまった。
信長「………今宵はここを奪うとしよう。」
そう言っていつものように
冷たい笑みを浮かべながら
信長様は私に手を伸ばしーーーーー