第16章 初陣 〜前日譚〜
そうして本格的に戦の準備が進みーーー。
あっという間に出陣前夜。
今夜は兵たちを労うために宴が開かれることになり、
私も、「織田家の姫」として華やかな装いで出席する運びとなった。
政宗「ほらよ!どんどん食え!……っと、これは家康専用だ!」
三成「っ………!ふっ……~っ!!」
向かいの席では間違って家康さんのために作ったものすごく辛い料理を食べてしまったらしい三成くんが、光秀さんに水を貰っている。
家康「……これで懲りてもう二度と俺の隣になんて座らないでくれる?」
三成「……っはぁ。…家康様は気遣ってくれているのですね。ですがご心配には及ばず。次からは気をつけますゆえ…」
家康「……もういい。とりあえず黙って。」
そう言って家康さんは水をぐいっと三成くんの口に押し当てる。
三成「ありがとうございます!ですがもう水は…」
家康「とりあえず飲みなよ。そしてそのままずっと静かにしてて。」
(相変わらずだなぁ……)
苦笑しながら三成くん達を見ていると隣からにゅっと手が伸びてくる。
秀吉「ほーら、箸止まってるぞ。明日からなかなか腹いっぱいというわけには行かないんだから沢山食べろよ。」
そう言って秀吉さんは私の取り皿に沢山取り分けてくれる。