第16章 初陣 〜前日譚〜
じゃあ俺も……私も…と結局みんな次の戦で着てくれることになった。
そして会議が始まり………
信長「舞。貴様も連れていく。」
「分かりました。」
間髪入れずに、はっきりと答える。
秀吉「舞…」
光秀「…どうした小娘?」
家康「どういう風の吹き回し?戦好きじゃないでしょあんた。」
三成「ご無理をなさっていませんか……」
信長「いつものように文句の一つや二つ言うと思っていたが…」
その場にいたみんなが、私の返事に反応を示す。
「文句を言ったところで私を連れてくことには変わりありませんよね。」
信長「そうだな。貴様に拒否権はない。」
「だったら、せめて自分の意思で、戦に行くと決めるまでです。」
光秀「俺たちと居てここ一月でとんだ戦好きになったようだ。」
「戦は嫌いです。…でも、
あなた達に死んでほしくないから、行きます。」
光秀「…ほう。」
家康「死んでほしくないからって…一番弱いあんたが俺たちを守るとでも言いたいの?」
呆れたように家康さんが言う。
「そうです。……たしかに私は弱いです。でもそばにいないと何かすることもできないから。」
少しでも私の気持ちが伝わればいい、そう思って真っ直ぐ家康さんを見つめてきっぱりと言う。
家康「……好きにすれば。」
そう言ってふいっと家康さんは顔を逸らしてしまう。
(少しは認めてもらえたかな…やっぱり家康さんとはなかなか打ち解けられないな……)