【マギ】 A Trip to MAGI World
第8章 Premonition
〈真愛side〉
「青舜、久々に稽古をつけてくれないか?」
「はい、もちろんです」
「あ!わたしも強くなったんだよ!真愛,私たちも一緒にいこ!」
「うん、いいよ」
というわけで、また鍛錬場に戻ってきた。
あれ、紅覇がいなくなってる。
もう帰ったのかな。
「真愛殿?どうかされましたか?」
白龍皇子に声をかけられて、普通に振り向こうとした。
ふと気が付いて、魅力を抑えた。
「あ、いえ!なんでもありません」
危なかった…
せっかくの稽古の邪魔したくないよ。
「始めますか?」
「そうだな」
白龍皇子は槍を、青舜さんは双剣を構えた。
「じゃあ、私たちは見学しよっか、真愛」
「うん」
そこにあった椅子に腰かけ、二人を見る。
わぁー、すごい身長差←
「…行くぞ」
「はい」
カン…
カンカンカンカン
槍と双剣が激しくぶつかり合う。
…す、すごい。
あんな重そうな槍を扱いこなす皇子も、長いリーチの槍を相手に、受け止めながら攻撃のすきを窺っている青舜さんも。
「…槍と双剣じゃ、槍の方が有利に見えるけど」
青珠が独り言のように呟いた。
「槍には重さがあって、隙が大きい。軽くて動きやすい双剣なら、その隙に入り込めるんだ。」
「…そうなんだ」
やっぱり、すごい。
長く続きそう…
バシッ
「!!」
全然見えなかった。
い、今のは…?
「一本取られました。」
あ、白龍さんが取ったんだ。
「皇子はしばらくお会いせぬ間にお強くなられましたね!」
「・・・」
「なっ、なんです?そのお顔は…」
あ、また見たことある光景。
どんどんエスカレートしていき、喧嘩になった。
青珠は…笑っていた。
「?と、止めなくていいの…?」
「大丈夫だよ。あはは!」
な、ならいっか・・・
…ん?
何か…視線を感じる。
見上げると、あわてて去る人影が見えた。
…あの人は…?