第7章 New Encounters

〈真愛side〉

鍛錬場。

「おい、誰だ？あの娘は」
「新入りの武官だそうだ。」
「ふん、黒﨑？聞いたこともないな」

ひそひそっと、そういう声が聞こえてくる。
…なーんか、嫌だなぁ

「真愛、気にしないで。なんかごめんね…」

青珠は何だか申し訳なさそうに小声で言った。

「全然大丈夫！っていうか、自己紹介とかした方がいいかな？」
「…そうだね」

見た感じ、私たち以外はみんな男。
よーし、良い事思い付いた！

「あのっ！本日より武官になりました、黒﨑真愛です。まだまだ未熟者ですけど…頑張ります！よろしくお願いします！！」

深くお辞儀して、顔をあげるときには魅力を込めてめいっぱい笑った。

「…っ！」

よし、効果はバツグンだ！！

「…すっごい、皆メロメロだぁ」

青珠が感心したようにつぶやいた。

「あはは…詳しくはまた後で話すね」

隠す必要もないけど、今話せることじゃないし。

「…っお前ら！鍛錬を続けろ！！」

ん～、あの人は偉い人なのかな。

「李青珠！来い」
「はい。…ごめんね真愛、待ってて」
「わかった。」

偉そうな人と青珠が鍛錬場を後にした。
んー、待つって言っても暇だなぁ、どうしよう…。


「あ、神官様！！」
「よォ」

…ジュダル！！

「真愛って、お前だろ？」
「え、ッと…はい」

ジュダルは、「ふーん」と言いながらこっちに近づいてきた。

…えっ、何？

あと３歩でぶつかる距離で、ジュダルは立ち止まり、じーっと見つめてきた。


あっ、魅力かけちゃおう！

「…っ！」

こちらも効果バツグンみたい。

「あの、何でしょうか…？えっと、神官様」
「っ、何でもねーよ。じゃーな」

そう言ってジュダルは飛んで逃げた。




…いったい、なんだったの？