【マギ】 A Trip to MAGI World
第6章 Departure
〈真愛side〉
「ふぁー。疲れたなぁ」
一人でつぶやく。まだ夕方の四時だけど、一日分の体力使い果たしちゃった。
シャル兄…
『これで、俺の超短期剣術指導は終了だ。』
とか、言ってたくせに、
『真愛!戦ろうぜ!』
とか言って、結局実戦のあとに鍛錬させられた。
もう、早く部屋で休もう。
…ん?
私達の部屋からバリバリって音がする。
アリシアは『ヤム様たちに呼ばれたの』って言ってたから、部屋にはいないはず。
こわ!
恐る恐るドアを開けると…
「ん、なんだ、真愛か」
「マス兄ー!!怖いって!」
バリバリ言ってたのはせんべいか。
っていうか、女子の部屋に無断で入るって…
「相変わらずだね…」
「…?そうか?」
…まぁいいか。
疲れたからソファーに座ろう。
「ふあぁ。マス兄はさ、シン様と冒険してたこともあったんだよね」
「あぁ」
「どんな感じだった?」
「…」
私の質問の仕方が悪かったかな?
「いろいろ、」
マス兄が口を開いた。
「いろんな人と出会って、別れた。生まれてきた奴も、死んでいった人もいた。いろんな国に行って、楽しいことも、悲しいこともあった。けどそのおかげで今の俺がいると思う」
「…そうなんだ」
普段無口のマス兄が、こんなに長く話すのを見たのは初めてかも。
「あと一週間だな」
「そうだね。マス兄もバルバッドに行くんだよね?」
「あぁ」
あと一週間かぁ。
「寂しいけど、楽しみだなぁ」
「そうか。」