【マギ】 A Trip to MAGI World
第6章 Departure
〈真愛side〉
「じゃあさ、4人でスイーツ食べにいこ~!」
「いいわね!」
急に旅に出るとか言ったから、みんな気を使ってくれている。
何だか申し訳ないなぁ。
「真愛、少し話ができないか?」
あれ、シン様だ。
「ん、いいよ。ごめん皆、スイーツは今度ね!」
「分かった。絶対だよ~」
「すまないな。」
「いいよ、スイーツはいつでも食べられるし。場所かえる?」
「あぁ。」
シン様が歩き出したから、私はついていった。
そして…
「ここ、柴獅塔!?」
王とそれに親しい官たちの私的住居空間。
出入りできる人はごく限られているはず…!?
「ここならだれにも邪魔をされずに話ができる。」
「…そう、だね」
なんか、やばい話をする気なの?
「座っていいぞ。」
「ありがとう」
その辺にある椅子に腰かけた。
「それで、話って?」
「煌に行くと言っていたな。」
「うん」
「その後はどうするんだ?」
…そのあと?
「いろんな国を…」
「その後は?」
え、何が聞きたいの?
「真愛、お前は王の器だ。国を作るつもりはないのか?」
国…?
「考えたこともなかったよ…」
「そうだろうとは思っていたんだが…」
シン様は頭をかいた。
「その力で何がしたいのか、しっかり考えることが大切だ。…まぁ、そのために多くの国を旅することも悪くはない。さっきも言ったが、俺は止めないよ。ただ…」
シン様はここで間を置いた。
「旅に危険はつきものだ。まして、行き先が煌帝国とあってはな。強い力を持っていても、決して油断してはならない。」
おー、まるでお父さんだな。
「分かった。」
「まぁ、もし何かあったら、いつでも頼ってくれ。シンドリアに帰ってくるなら、いつでも大歓迎だからな。」
うーん、頼ることはないと思うけど。
「わかった、ありがとう!」
話はこれで終わった。
シン様はここでまだ何かするみたいだから、私は柴獅塔を出た。
んっ?
なんでわざわざ柴獅塔まで来たんだろう?
別に誰かに聞かれても困らない話だったような…?