【マギ】 A Trip to MAGI World
第3章 I Charm Is Non-Discrimination
〈シャルルカンside〉
…なんか、中庭の方が騒がしいな。
少し気になって、のぞいてみる。
全員、向かい側を向いていた。
視線をたどると…ん?確かあそこは真愛の部屋だ。
真愛…あいつ何なんだ?
紫の瞳を見ると、吸い込まれそうになって、一瞬意識が飛んだ。
その時は、俺が真愛に惚れたのかと思った。
だが、俺ってヤムライハが…
自分で思って赤くなる。
「なんだか中庭の方が騒がしいわね」
「だね、なんだろ…あ!シャル!」
「ん?ピスティ」
「ねぇ、中庭で何があってるの?」
「なんかみんな真愛の部屋見てっけど」
「のぞき!?」
「こんな大人数でするかよ!」
「行ってみようよ!」
「そうね、すぐ近くだし。アンタも来る?」
「…行くか」
気になるし。
「ふーん、来るんだ?ふふっ」
「…なんだ?ピスティ」
「ううん、さ、いきましょー!」
「…?気味わりぃな」
途中で。
「わぁぁぁ!!」
中庭から拍手と大歓声が起こる。
「なんか、すごい騒ぎだね!」
「何が起こってんだ?」
「早く行きましょ!」
あれが真愛の部屋だ。
「何!?この騒ぎ」
「あぁ、彼女が歌ってたんですよ。」
歌ってた?彼女って、真愛?
「じゃあ…」
なんかもう一曲歌ってくれるらしい。
真愛は中庭の方を向いた。
王も魔装を解いて部屋にいるから、そっちには誰もいない。
~♪
声が透き通っている。
鳥肌が立つほど。
まるでドレスをまとってるみてえだ。
あいつ、日本って国の王女とかなのか?
歌い終わって、振り向いて、一礼する。
部屋だけでなく、中庭からも、盛大な拍手。
それに気付いた真愛は、慌てて振り返って一礼した。
なんか、表情が楽しそうだ。
「じゃ、失礼したね。そろそろ寝るといいよ。」
そう、王が言った。
「そうですね。私も仕事に戻ります」
ジャーファルさんもそう言う。
俺も戻るか。
「あ、はい。あの、えっと…」
?
真愛が、何か言いたげだ。
「どうした?」
「あ、その」
「…?」
みんなが不思議そうにしている。
「この部屋が不満か?」
王が言った。
いや、そんなわけないだろ。広いし。
でも、
真愛は、はっと顔を上げた。
え、ここ不満なの?
まじで王女?