【マギ】 A Trip to MAGI World
第3章 I Charm Is Non-Discrimination
〈真愛side〉
「うっわ、広い!」
ここで私、今日寝ていいの?
日本って国と私の身分を、勘違いしてるな。
いやー、逆に寝れるかわかんないなぁ。
とか思いながら、ベッドに寝転ぶ。
うわぁ。気持ち良すぎ。
ふっかふかなベッド。広い部屋。高い天井。
なのに、なんでかな。
ちょっと、孤独感。そして、恐怖。
私、こんなに一人が怖く感じたことなんてない。
こんなの初めて。
不意に泣きそうになった。
こんな時は、そうだ。歌おう。
そんなに遅い夜じゃないし、小声ならいいでしょ。
歌おう。向こうにいたとき大好きだったあの歌を。
~♪
…あれっ?
歌ってるの、私?
だって私、こんなに歌上手じゃなかった。
でも、歌っているのは、私だ。
この綺麗な歌声は、私のものだ!
なんだかドキドキする。胸が弾む。
歌が止まらない。
スキップして、大きな窓を開ける。
その向こうには、ベランダ?みたいなのがある。
そこで歌う。声が大きくなる。
ディズニープリンセスになったみたい!
~♪
歌い終わっても、まだ胸が熱い。
割れんばかりの拍手が聞こえてくるよう。
・・・ん?ほんとに聞こえる?
ここは、緑射塔の三階。
この下には、庭が広がっている。
そしてそこに、大勢の人が集まって、私を見上げて拍手している!?
「いや、驚いた。真愛さんは声がとても綺麗なんですね!」
後ろから声がした。
ジャーファルさん!?
「まさか私、大音量で…。」
「俺も聞いていたよ。」
こんどは外から…浮いてる!?
「王様!ってなんで魔装…」
「気になって来てみたが、これは素晴らしい歌声だ!」
「そんなこと…」
「ありますよ。人が集まっているでしょう?」
もう一度外を見る。
男の人、女の人…確かにいっぱいいる。
恥ずかしい!
「何!?この騒ぎ」
ピス、ヤム!?と、シャルルカン様!?
「あぁ、彼女が歌ってたんですよ。」
ちょ、ジャーファルさん!
「えー!聞きたかった―!」
「もう一度歌ってあげたらどうだ?」
「え!」
「いいじゃないですか!」
「…向こうの歌でもいいですか?」
「わぁ!楽しみ!!」
「じゃあ…」
さっきとは違う歌を一曲。
~♪
歌い終わって、一礼。
拍手が起こった。
いつの間にかまた、外には人だかり。
なんか、いいかも。