【マギ】 A Trip to MAGI World
第3章 I Charm Is Non-Discrimination
〈真愛side〉
「・・・・・・」
あれ、静かになっちゃった。
やっぱり、あんな説明じゃ納得できないよね。
沈黙を破ったのは、王だった。
「君は、シンドリアの者ではないな?」
「え?はい。」
「名前の並びから考えて、煌帝国、その周辺か?」
「…違う、と、思います。」
「違うと・・・思う?」
あぁ、視線が怖い。
泣いちゃダメ。しっかりしなきゃ!
「私の故郷は日本といいます。故郷での暮らしはしっかり覚えています。ですが、記憶が抜けてて。気が付いたら二日前、船に乗ってシンドリアに向かっていました。えっと、一人で。だから、この国に来たわけとか、何もわからなくて。日本にあった書物で、ここのことは知っています。煌帝国のことも。ですが、なんていうか・・・迷信、じゃないけど、空想の世界?みたいな、そういった書物で。えーっと、混乱してきちゃった」
あぁ~、何このグダグダな説明は!
分かってくれるかなぁ?
しばらくの、沈黙の後。
口を開いたのは、やはりシンドバッド王だった。
「つまり、君の故郷とここは、違う世界ってことか…?」
おー、そんなかんじ!
「・・・多分、ですが」
「確かに、日本とは、聞いたことのない国名ですね」
「違う世界って、どういう意味なんすか?」
シャルルカン様が、そう聞いた。
「えーっと、まぁ、違う星みたいなものなんじゃないですか?私は違う星から、なぜかここにきてしまった、みたいな」
「なんでだよ?」
「わからないって言ったでしょう」
「ふーむ」
王が独り言のように、言った。
「なるほど、面白いな。しかし真愛、君は俺達がすべて信じると思うのか?」
その言葉に私は、
「でも、事実ですから。」
と言って、王を見た。
あっ。
目が、合った。