【マギ】 A Trip to MAGI World
第9章 It is time to tell the truth.
〈ビルギスside〉
「私は、生まれてすぐ、教会の前に捨てられていたの。そして、教会で保護された」
これはよくある話。
教会の子供たちのほとんどがそうだった。
「同じ立場の子達はたくさんいて、みんな、話せるようになったくらいから異種族排除論を聞かされてたわ。もちろん、私も。」
ずーっと、あの退屈な話を聞かされていた。
聖典の第何章がどーのこーのとか…
「11歳の時かな、神杖を持たされたの。皆は、力を抜き取られるみたいで辛そうだった。でも、私には何も起こらなかったわ。」
最初は、神杖が壊れてるのかと思った。
でも、そうじゃなかった。
「神父に魔法で攻撃されても、防壁魔法は出なかった。それから私は、隔離されたの」
「隔離…?」
「一緒に過ごしていた子たちと離されて、いろいろな機械が置いてある部屋に入れられた。本当は捨てられるはずだったのに、ダビデとかいう人が、それを止めたみたい。」
ダビデ、といったとき、皆の顔に驚きが浮かんだ。
「ダビデ…!?」
「ダビデ老が…どうして?」
知り合いなのかしら?
「分からないわ。誰も教えてくれなかったもの。…というか、私に話しかける人なんて、誰もいなかったけれど。『神に見放された子』…みんなそう言って、私を避けていたわ。」
今まで友達だと思っていた子からも、汚れたものを見るような目で見られた。
「いろいろ実験みたいなこともされた。でも最近は、忘れられていたみたい。食事を持ってきてくれない日も多くなった。そして、今日、ついに捨てられた。」
ダビデも、もう飽きたんだろうな。
私は、生みの親にも育ての親(?)にも捨てられたんだ…。