• テキストサイズ

1匹狼な君と

第1章 優しい人 (あんずside)


暗くなった夜の道を大神くんと2人で歩く。
沈黙が続いてて、嫌々私と歩いているのではないか、
しかも今日のプロデュースは学ぶ事が多すぎて
自分はまだまだで… 負の連鎖が続く。

そんな時、


「テメーはよぅ… しょげてんだろ…?」


大神くんがポツリ、と呟いた。

図星だった。


「お前は転校してきたばっかだろ。
しかも、それまで普通に高校生活送ってたのによう…
こんな男しかいない所に投げ込まれてよう…
大変だろ?」


私の心の中で思っていた事を全て代弁してくれている。
ああ… そうだよ…
初めての事だらけで、大変だよ…。


「少しは休んだりしたらどうなんだ?
俺様が相手になってやんぞ。」

ええ…? 大神くんが私を癒してくれるの…?
全く想像つかない…。




「テメーの事が心配なんだ…。」



とても小さい声だった。
だから本当にこう言ったか分からない。
「え?」 と思い隣にいる大神くんを見上げると、


「なっ…、なんでもねぇよ!
ほら、もうすぐ家着くぞ。 」


周りが暗くて大神くんの表情は見えなかった。
少し見たかったな…。


家の前に着いて、


「今日はお疲れさん。
ちゃんと寝ろよ。」


私はうん、と頷いた。

「あと、今日のプロデュースは…
あんずの言ってた事は間違って無かったし
俺様たちも勉強になったから、
もっと自信もてよな。」


そう言われて、
正直とても嬉しかった。
本人たちからそう聞けて、良かった…


すると、大神くん少しびっくりした顔で、
何か言っていたけど聞き取れなかった。

その後、満面の笑みで大神くんは私の頭をポンポンって…


「じゃあな… おやすみ。」


突然の事に頭がついて行かなくて、
でも彼は無事にここまで送ってくれたから、
私の側から離れ帰っていく。
その後ろ姿を、目をそらせなくて、
彼をずっと見つめていた…

まだ、頭に残っている大きな手の感触と共にーー
/ 63ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp