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1匹狼な君と

第1章 優しい人 (あんずside)


新米プロデューサーとして、やるべき事は山のようにある。
少しずつ仕事をこなしていき、ある日の昼休み。


いつもなら、仕事に追われ昼休みも校内を走り回っていたが、
最近は出来が良くなったのか、少し落ち着いてきた気がする。

久しぶりに、ゆっくり、お弁当を食べよう…


「あんず。お疲れさま。
今は仕事しなくても大丈夫なのか?」


つかの間の日常みたいで、少し嬉しくて、
自然と笑みが零れながら、頷いた。
すると、北斗くんも笑ってくれて、


「…そうか。 それなら良かったな。
tricksterの皆で… といっても
衣更は生徒会の仕事をしているんだが、
一緒にお昼ご飯を食べないか?」


北斗くんはお昼ご飯に誘ってくれた。
いつもなら、1番仲がいいのはtricksterの皆だし、
別にそれでも良いんだけどーー


「今日はごめんね…
話をしたい人がいるの…」


元々声が小さい上に、申し訳なさを感じつつ言ったらこの様だ。
か細い声でになってしまった。

でも北斗くんは分かってくれたらしく、


「そうか。じゃあ今度は一緒に食べよう。」

そう言ってくれた。
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