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1匹狼な君と

第1章 優しい人 (あんずside)


大神くんと会話が成立してから、数日ーー


今日は初めてUNDEADをプロデュースする日だ。
今まではずっとtricksterと一緒だったから、
少し緊張してしまう。

…というのも、DDDが終わった今、
tricksterの事で忙しすぎたからだ。
彼は、大きな1歩を踏み出してくれた。
私も頑張らなくてはならない。


「あんず、今日の活動場所は軽音部の部室だ。
もうそろそろ時間だから、一緒に行こう。」


同じクラスのアドニスくんがそう言ってくれた。
アドニスくんは同じクラスメイトだから、
少しは緊張もほぐれるかもしれない…。

私はコクリ、と頷いて
荷物も全部まとめて、席を立ってアドニスくんの隣に並んで、教室を出た。


ああ、やっぱり安心する。
アドニスくんがいて良かった…。




「おい、あんず一緒に…
……って、アドニスもいんのか。」


最後の方は聞こえにくかったが、
まさかと思って振り向いたその先には…


「ああ、大神もこれから向かうのか?
なら丁度良かった。」




そこにいたのは、愛犬家の〝大神晃牙〟だった。
彼もUNDEADのメンバーなのだから、
全く不自然ではないし、当たり前のことだ。

じゃあ、さっき聞こえたのは…?
アドニスくんもいてもおかしくないよね…?

私は大神くんとアドニスくんの間に挟まれて、軽音部の部室へと向かった。
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