第2章 愛しい人 (↑晃牙side)
「わんちゃん見せつけてくれるよね〜
俺もたくさんの女の子に
もっと好きって言いたかったんだけど。」
「薫くんの好きは安売りしてるじゃろう。
わんこの好きは安売りしない特別な愛の言葉じゃよ…♪」
「よかったな大神。あんずも嬉しいだろう。」
ライブが終わって控え室に戻った瞬間に
UNDEADのメンバーから次々と言われて…
って、
「驚かねぇんだな…」
「そりゃ、あんなにあんずちゃんの事
好き好きって尻尾振ってるわんちゃんだから
俺達も気づいちゃうよ。
そうでしょ?朔間さん?」
「…は!? そうなのかよ!?」
「ああ、俺も薄々だが気がついていたぞ大神。
大神とあんずの2人の時は
2人ともいい笑顔だったぞ。」
「おいアドニス!それ言うんじゃねぇ!」
思ってたとしても、言わねーだろ普通!
「やっとわんことあんずの嬢ちゃんが結ばれたのう…♪
今日はお赤飯を炊こうかのう…♪」
結ばれただと…?
いや…待てよ…
「まだ返事聞いてねーから。
わかんねーだろ…」
ボソッと言ったつもりってのに
3人が一斉に驚いた表情になって…
「「「返事もらってないのかえ?/ないの?/ないのか?」」」
「いや…
あの後すぐに元の位置に戻って捌けただろーが…」
「えっ、じゃあまだ俺にもチャンスがあるって事でしょ?
今からあんずちゃん見つけて俺のものにしちゃーー」
冗談じゃねぇよ
羽風……先輩が言い終わんねぇ内に
控え室を飛び出してあんずを探しに出た