第2章 愛しい人 (↑晃牙side)
次の日ーーーー
朝が来た
早く起きねーと…
レオンの散歩も行ってやらねーと…
なのに身体がベッドから起き上がれねぇ
体温計で測ると 38.5℃ーー
完全に風邪をひいて熱まで出しちまった
あんずが元気ならそれでいいんだけどよぉ…
スマホを見ると
デコ助からメッセージが入ってやがる
『あんず見つけて一緒に帰れたか?
あの後大雨だったけど、大丈夫か?』
あんずは俺様がちゃんと護ったから
問題ねぇよ…
『ちゃんと家まで送ってやったから安心しな
あんずはどうか知らねーけど
俺様は熱出して今日は休む』
情ねぇな…
薬を飲んで昼頃
学院に行ってたら
あんずとまたメシ食えたのかもしんねーな…
まぁ、今は忙しいからねぇよな…
「…ハックション!」
まだ治んねぇよな…
「ハックション!ハックション!!!」
わかんねーけど、クシャミがとまんねー…
「ハックション!!ハックション!!!!」
おかしいだろ!
誰か俺様の噂話でもしてんのか!!
少し落ち着いたな…
また寝るか… 熱下がるといいんだけどよぉ…
「……ハァックション!!!!!!」
誰なんだよ!!!俺様の話してる奴!!!
少しイライラしながらも俺様はまた寝た…
ーーーーーピンポーン
その音で目を覚ました
家に誰か来たのか…?
窓の外を見るとオレンジ色の綺麗な夕日が見えた
ガチャ、とドアを開けると
「わんこや〜♪ お見舞いにきたぞい♪」
「大神、熱は大丈夫なのか。」
「男の家に入るなんて… ゲロゲロ…」
ずかずかとでけー奴が3人入ってきやがった
…ん? 本当に3人か…?
あんずのにおいがすんな…
まさか…!
「これはあんずから預かったものだ。
ありがとうと伝えて欲しいと言っていた。」
そう言ってアドニスから渡されたのは
俺様が昨日あんずに被せたブレザーじゃねーか
洗濯されててあんずのにおいが…
「わんちゃん発情中? やめてよ〜」
「…! そんなんじゃねーよ!スケコマシ!」
本当はあんずの事考えてたなんて言えねーよ…
「わんこも男の子じゃからのう…♪」
おい吸血鬼ヤロー!!
余計な事言うんじゃねぇ!!