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1匹狼な君と

第2章 愛しい人 (↑晃牙side)


「あんずはすぐ、風呂入れよ。
冷えてるからな…」


家の前に着いてあんずを下ろしてから
言ってやった
あんずだけはいつも頑張って
死にそうな顔してっから
これ以上は悪くなってほしくねーし

好きなやつには元気でいてほしーだろ…

これ以上あんずの前にいても
何をすんのかわかんねーな…
抱きしめてやりてーな…
そんな想いを断ち切って帰ろうとしてんのに


「待って! 泊まっていってもいいんだよ?」


おいおい本気かよ…
俺様が今泊まったら何すんのかわかんねーし
男を易々と家の中に入れんじゃねーよ…


「言っただろ。
俺様は1人暮らしでレオンが待っているから、
早く帰ってあげねぇとなぁ…」


泊まり込みのUNDEADから
抜ける理由はこれだったけどよ
本当はあんずに何すんのかわかんねぇから
理性があるうちに帰りてーんだよ…

本音は言わないで
俺様はまた暗い豪雨の中を走り始めた


「せめて、傘とか貸すから、待って!!!」


今まで1番でけー声だな…
そんな必死になって呼ぶんじゃねーよ
戻っちまうだろ…

俺様は振り返らずにただただ走って
あんずの家からかなり距離のある家に着いた…
レオン待たせて悪かったな…


「…ハックション!!」


家に着いてから寒気が止まんねーな…
もうすぐドリフェスがあるってのに
俺様が風邪ひいてどーすんだよ…

でも、


「後悔はしてねーんだよな…」


一人暮らしの家に響いた独り言
レオンは相変わらず尻尾をふって寄ってくる
あんずにキスしたのも、おんぶしてやったのも
後悔なんてしてねーかんな…

あぁ… クソ…!
好きって自覚した後の方がつれぇんだな…
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