第2章 愛しい人 (↑晃牙side)
次の日の朝ーーー
もし、今日もあんずとメシ食うなら、
昨日みたいに待たせるわけにはいかねぇな…
俺様も弁当作るかーー
よしっ、なかなかいい出来じゃねーか…!
いつも自分でメシ作ってるからな、
テキトーに残りもんつめたんだけどな…
って!
必ずしも今日もあんずとメシ食うわけじゃねーだろーが!!!
なんでこんなに張り切ってやがるんだ…
本当に調子狂うよな… クソ…
ーーーー学院の休み時間にて
「おい、リッチ〜 起きろ」
「ふぁ…ふ……
コーギーじゃん… なに〜?」
「学院の中で人が来ねー感じの、
静かな所ってどこかあるか?」
「え〜… そんなのいっぱいあるんだけど…♪
なんで、そんなの知りたいわけ…?」
「なっ、そんなのどーだっていいだろ!」
「まぁ、いいんだけどね別に〜
俺のオススメは中庭の奥の方に大きな木があるでしょ〜
そこの木の下は芝生もふかふかだし安眠できる…♪
人なんて、全然来ないよ、見たことない。
だから凄く静かなわけ。」
「そうかよ… サンキュ…」
「コーギーは本当は真面目なんだから、
授業なんてサボっちゃ駄目だよ…♪ ふぁふ…」
真面目は余計だっつーの…
あんずも喜んでくれっかな…
ーーーー次の休み時間
「大神さま、お願いしたい事がありまして、
聞いて頂けませんか?」
「あぁ?伏見か。なんだよ?」
「本日、大神さまの昼食は
ガーデンテラスで間違いないですよね?
もし、坊っちゃまを見かけましたら、
わたくしに、ご連絡して頂ければ…」
「あぁ… 悪ぃんだが今日はちげーんだ。」
「おや?ですが、毎週この日は
予約しているステーキ定食のはずでは…?」
「今日は弁当作ってきたからよぉ…
ちげー場所でメシ食うから…」
「なんと!大神さまもお弁当を作っていらっしゃるのですね!
初めて知りました。
わたくしも毎日坊っちゃまの為にと
作っているのですが、
どうも逃げられてしまいまして…」
「まぁ、初めて作ったからな…
クソガキ探し頑張れよ…」
「やはり初めてお作りしたのですね。
ありがとうございます。では失礼します。」
なんでいちいち言わせるんだ…!
初めて知りましたって…
そりゃそーだろーな!!!
初めて作ったからな!!!!