第2章 愛しい人 (↑晃牙side)
お互い顔を合わせられず沈黙…
この前一緒に帰った時みてーに…
「あらあら〜!
あんずちゃんじゃないの〜♡」
「はぁ? なんだよクソオカマ」
「晃牙ちゃんったら も〜
何て言ったのかぜ〜んせん聞こえなかったわぁ♡」
何でテメ〜があんずに抱きついてるんだよ…
邪魔だろ…
俺様はコイツにビビられてるってのに…
「なんで、あんずちゃんを晃牙ちゃんが独占しているのかしらぁ〜?
アタシも混ぜてちょーだいっ♪」
はぁ?嫌に決まってんだろ鬱陶しい。
だいたい今日はあんずが俺様とメシをー
「あんずちゃんみてみて〜♡
これ!新色のサクラ色のリップよぉ〜!
あんずちゃんにお似合いだと思うわぁ♡」
なんでズカズカと話始めるんだクソオカマ
だからテメ〜は邪魔なんだよ
「あんずちゃん! これ付けてみない?」
「はっ…、なっ…… クソオカマ!
いい加減にしろ!」
「あらあら〜
だから何て言っているのか聞こえないのよ〜♪」
ぜってー聞こえてんだろ!!!!
何で俺様もこんなに焦ってんだ…
あんずがいるからなのか…?
なっ、あんずにそんな近づくんじゃねぇ!
羽風……先輩より危険なんじゃねーのか!?
「まぁ♡ やっぱり似合ってるわぁ!
あんずちゃんにぴったりね〜!
すっごくかわいいわよぉ♡」
!?
いつも香水もつけねーよーな奴が、
リップつけるだけで変わるもんなんだな…
あぁ…もう…
あんずもそんなかわいい顔すんな…
「かわいいんじゃねぇの……」
しまった… でも聞こえてねーよな…?
「も〜 今日の晃牙ちゃんは何て言ってるのか全然分からないわぁ〜
素直に かわいい の一言くらい言ってあげたらどうなのよぉ〜」
聞こえてねーんだから
そーいうのは言わなくていーだろクソオカマ!!
あんずも困惑してんじゃねーか!!
「じゃあ、アタシはこれで失礼するわねっ♪
楽しいランチタイムだったわぁ♡」
嵐…のように過ぎ去ってやんの…
この状況にしてからどっか行くのかよ…
あんずはどーなんだ…?
「また一緒に、お昼ご飯食べてもいいかな?」
いつもちっせー声のあんずが
意外にも大きな声で俺様に…?
俺様とで合ってるよな…?
「ああ… 構わないぜ…。」
俺様は冷静に返せたのかわかんねーな…
嬉しすぎて… 訳わかんねぇよ…