第2章 愛しい人 (↑晃牙side)
あんずと並んで夜道を歩く。
こんな暗い道、1人で帰らせられねぇな…
さっきっから、ずっと凹んだ表情してんなコイツ…
「テメーはよぅ… しょげてんだろ…?」
そんな顔すんなよ
俺様が泣かしてるみてーじゃねーか
ったく、もー…
「お前は転校してきたばっかだろ。
しかも、それまで普通に高校生活送ってたのによう…
こんな男しかいない所に投げ込まれてよう…
大変だろ?」
泣かせたいんじゃねーんだよ
これでも心配してんだ…
「少しは休んだりしたらどうなんだ?
俺様が相手になってやんぞ。」
俺様がそんなにこえーのか…?
またあんずを怖がらせちまうのか…?
コイツのビクビクしてる姿なんざ見たくねーよ…
「テメーの事が心配なんだ…。」
そしたら、
ずっと下向いて目も合わせてくれねーのに
急に目が合って「え?」って驚いた顔してやがるから…
俺様、さっきの喋ってたのか…!?
まじかよっ…!?
「なっ…、なんでもねぇよ!
ほら、もうすぐ家着くぞ。 」
あーもう…
今、コイツの事見れねーよ……
「今日はお疲れさん。
ちゃんと寝ろよ。」
家の前に着いてあんずに話しかけた
あの時みたいにクマつくんなよ…
そう言っても大人しく頷くだけかよ…
元気だせよ…
「あと、今日のプロデュースは…
あんずの言ってた事は間違って無かったし
俺様たちも勉強になったから、
もっと自信もてよな。」
今のあんずには自信がねーからなーー
!?
そんなに嬉しかったのかよ…
こんな近い距離で笑顔をみせてよぉ…
「かわいいんだな…」
俺様までつられちまうだろ…
つい癖でレオンを撫でるみてーに頭をポンポンってしてやってーーー
「じゃあな… おやすみ。」
名残惜しかったけどよぉ…
そのままいるわけなもいかねーし、
その後は1人で暗い道を歩いてったけど、
不思議と1人で帰ってる感じじゃねーんだ。
手に残ったあんずのサラサラの髪の感触が…
レオンとは違う〝愛しさ〟がーーー