第1章 優しい人 (あんずside)
その後もずっと動き回り…
ドリフェスはトラブルもなく、
大成功だった。
「お疲れ様でした。
今日はもう休みなさい。
ドリフェスの事後資料は
今度書いてもらいます。」
椚先生がそう言ってくれた。
もうクタクタだった。
ドリフェスは大盛況だったようで…
それは良かった…。
外に出るともう暗くなっていた。
密閉された空間から
一気に開放された感じがした。
動き回ってかいた汗が、
夜風にあたって心地よい…。
晃牙くんはどこにいるんだろう…
全く検討がつかない。
疲労が勝っていた。
それでもなんとなく、
自分の足は、
あの大きな木の元へ向かっていた。
もちろん、誰もいない…
ここは晃牙くんとの思い出がたくさんあるなぁ…
そう思うとやはり無性に会いたくなってしまう…
「帰ろう…家に…」
たくさん寝よう久しぶりに…
そう思ってその場を離れようとしたーーーー