第1章 優しい人 (あんずside)
ドリフェスまで日が迫ってきている。
それに比例して、
仕事量、忙しさ、疲労が増加していく。
対になっているものをあげるとすれば、
睡眠時間は減少し、0に近づいていっている。
何かあれば、
出演ユニットのリーダーに連絡をとっている。
プロデュースもあるが、
リーダーにあらかじめメニューを伝え、
現場には行かなくなってしまった。
朔間先輩と話したあの日の後、
UNDEADの3人が晃牙くんの家に
お見舞いに行くと言っていたので、
私も行きたいと言ったが、
「ダメダメ〜風邪が移ったら大変でしょ?」
「ブレザーなら大神に渡しておく。」
「さぞかし忙しいのじゃろう?
お礼もちゃんと伝えておくぞい。」
と言われてしまったので、
最近は全く晃牙くんに会えない。
彼も彼でパフォーマンスに磨きをかけているだろうから、忙しいと思う。
晃牙くんは私の事をどう思っているのだろうか…
私だけがこんなにも一喜一憂しているのか…
晃牙くんには1度も会えず、
本当の事は分からないまま、
ドリフェス当日を迎えた。