第1章 優しい人 (あんずside)
「そこまでだ アホコンビ
あんずが困っているだろう。」
いつの間にか私達の元に北斗くんがいた。
「あんずはちゃんと寝ているのか…?
疲れてるように見えるが…」
もちろん毎日疲れている。
しかし、それは彼らも同じ事。
反射的に首を振る。
「 ……そうか 無理するなよ
ほら、金平糖だ。甘いものは疲れが取れる。」
ピンクと黄色の金平糖を貰って口の中にすぐに放り込んだ。
じわーっと広がる優しい甘さは確かに疲れをとっているように感じた。
「あ!!!あんずだけにずるいよ〜!!
俺にもちょうだい!!」
「お前らはさっきまで漫才をしていただろう。
別に疲れていなさそうだな。」
「え〜〜 ホッケ〜のケチ!」
わいわいと私の前で繰り広げられる楽しい会話。
そんな時、ガラッと教室のドアが開いた。
誰が気になって、ふと見てみるとーー