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1匹狼な君と

第1章 優しい人 (あんずside)


「違うの…
最初は怖かったけど…
もう怖くない… 優しい人…」

そう…
最初のイメージが強すぎて勝手に疎遠していた、
今では〝彼〟は怖くない
前のイメージの呼び名が定着してしまい、
今更、変えれなくなっていたのが事実だ。


「優しい人だよ… 晃牙くん…」

彼の目をじっとみつめて言った。
胸のドキドキがずっと収まらない…

彼は少し目を見開いてから、
すぐに優しい笑みを向けて

「そうか… もう怖くないんだな…」

そう言って、
晃牙くんはそのまま前へ
私にもたれかかってきて、
私を抱きしめていたーーー


晃牙くんの顔は伺えない。
どんな表情をしているのか分からない。


「暫くこうさせてくれーー」


そういった晃牙くんは、
暫くの間私を抱きしめていた。

私は戸惑いながらも、
彼の背中へ腕を回し、
少しだけ… ギュッて力を入れてみた。

私のドキドキは絶対聞こえているだろうな…
晃牙くんはどう思っているの…
私ばかりずるいよ…
あなたの本心が… 知りたいーーーー
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