第1章 優しい人 (あんずside)
暫く続いていく沈黙…
なんとかしなければ…
「あらあら〜!
あんずちゃんじゃないの〜♡」
そう言って後ろから抱きついて来たのはーー
「はぁ? なんだよクソオカマ」
「晃牙ちゃんったら も〜
何て言ったのかぜ〜んせん聞こえなかったわぁ♡」
お姉ちゃん… それは怒っているんだね…
でもお陰様で沈黙よりはマシだと思う。
ありがとう… お姉ちゃん…
「なんで、あんずちゃんを晃牙ちゃんが独占しているのかしらぁ〜?
アタシも混ぜてちょーだいっ♪」
そう言って私達の側に椅子を持ってきて、
お姉ちゃんは座ってお喋りを始めた。