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夢100 今宵夢で逢いましょう

第1章 眠れるリング


『やっと起きたか!おい、リド!
いつまでみづきに膝枕してんだよ!』

ティーガの大きな声に、めんどくさそうに起き上がると、
膝枕で寝ていたのを見られていた事に気付き、
頬を赤らめるリド。

「わっ、みづきも起こしてくれればいいのに…」

不満を漏らすリドに、サイは呆れたように言う。

『リド…その不満は逆効果だと…』

言い終わらないうちに、ティーガがリドの首を腕で締める。

『みづきの膝枕しといて、文句とはいい度胸だな!』

「お、おい…やめろ…ぐるじいっ死ぬっ」

サイとみづきは、一瞬目を合わせると、
吹き出すように笑い出す。


「ホントに仲がいいね!あはははは」

今日もこうして、王子三人と姫一人は仲良く午後のひと時を過ごすのであった。



『あー、今日もお前らと一緒で面白かったな!
あ、そうだ、明日、映画の国の新作公開されるんだよな。
みんなで見に行こうぜ?』

傾いた陽の光を浴びながら、ティーガが子供のような笑顔を見せる。

『そうか、もう公開なんだね。発表された時は、あんなに待ち遠しかったのに』
サイも、笑顔で話しに加わる。

「あぁ…わりぃ。明日はちょっと…都合が悪いんだ」

リドは申し訳なさそうに二人に言う。

「え?そうなの?
なにか、公務あったっけ?」

みづきも初めて聞くことに少し戸惑う。

「いや…公務っていうか…まぁ国王からの用事ではあるけど…」

歯切れの悪いリドの言葉に、みづきは少し胸がざわついた。
けれど、ティーガはおかまいなしで話を続ける。

『そっか。じゃぁ、三人で行こうぜ?
たまには、俺らがみづきを独占してもバチ当たらないだろ?』

そう言いながらティーガは、みづきの肩を抱く。

「ティーガ君!」

みづきは驚くけれど、リドは拒むでもなく、

「そうだな…まぁ、明日は三人で行ってくれよ」
と、素っ気ない声を出した。

『リド、どうしたの?でも、折角だから四人で都合つく時に行った方が…』
サイが心配そうに言うが、ティーガが横から口を挟んだ。

『いいって、サイ。みづきもいいだろ?リドがいないんじゃ、お前も暇だろ』

みづきはチラッとリドを見るが、ずっと目線を逸らしたままだ。

「うん」


『よし!決定な!』
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