第1章 眠れるリング
宝石の国、オリブレイト。
私はここで、リドと一緒に少しの間過ごしている。
緑色にサラサラとした髪を、ふわりと風に揺らして昼寝をしている。
この人が私の愛しい人。
王子様らしくない。いい意味で。
そして今日もきっと、あの二人が来る。
私を毎日笑顔にしてくれる、あの二人が。
『みづき!リドは?』
「しーっ!起きちゃうよ?」
『なんだ、また寝てるの?』
「気持ちよさそうでしょ?ふふっ」
大きな木の木陰で、リドはみづきに膝枕をして昼寝をしている。
そこに現れたのは、同じ宝石の国の王子で幼馴染のティーガとサイ。
赤い髪の元気ハツラツなティーガと、青い髪の優しくて芯のあるサイ。
三人はいつも一緒。ダイヤモンドの乙女を探している時が一番輝く時。
そこに現れたトロイメアの姫みづきを巡っては、
全員がダイヤモンドの乙女を見つけたと、ひと時の恋敵にはなったけれど、
今はこうして、リドの彼女となり、四人はいつも一緒にいる。
『なんか、ムカつく。みづきに膝枕とか、ずるくね?』
ティーガが不満げに声をあげる。
『確かに…特権乱用な気がする』
サイも、困ったような顔で同意する。
『みづき、リドの何処がいいんだよー。
俺といる方が、楽しい事沢山あると思うぜ?』
「ティーガ君たら…ふふふ。どこがいいのかな。
こう言う、自然体なところかな?」
そう言いながら、眠るリドの前髪をそっと撫でる。
『ティーガは毎日リドに妬いてるね。
わかりやすい。クスクス』
『そういうサイだって、みづきの事好きだろ?』
「ちょっと、ティーガ君…恥ずかしいよ」
みづきはティーガの真っ直ぐな言葉にいつも照れてしまう。
『みづきのことは、みんなが好きでしょ?
アルマリなんか、ティーガよりもメラメラしてるし。
あのトトリさんまで、みづきにはメロメロだもんね』
サイが楽しそうに宝石の国の王子たちを思い浮かべる。
『なんでリドなのかなー。女心は難しいな』
ティーガは、真剣な眼差しで顎に手を当て考えている。
「ん…騒がしいな…」
リドは眠たげに瞼を開けた。