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夢100 今宵夢で逢いましょう

第1章 眠れるリング


全てを話し終わったリドは、大きく息を吐き出した。



「はぁ…。ようやくお前に話せた…」


「うん。ありがとう話してくれて」


そう言うと、今度はみづきがリドの手を握る。



「もう…一生お前とこいやって話せないのかと思ってさ。
そう思ったら、怖くて、全然逢いに来れなかったんだ」



「思い出せて良かった、リドのこと。
私の一番大切な人、一生思い出せないなんて、悲しすぎるよ」



「明日、もう行くんだろ?」


「うん。明日の夜ムーンロードが開くから…
トロイメアに行かなきゃ…」


そう話すみづきの手はきつく握られている。
リドの手を握る手にも自然と力が入っていた。



「私も…言ってなくてごめんね。
こんな大切なこと…」


「俺が…行くなって言っても、無駄なんだろ?」


その言葉に、みづきはフッと悲しそうな顔をする。


「私の国で起こっている事だから…私がいかなきゃ。
お兄ちゃん達が待ってるから…きっと」


「必ず、無事に戻ってこいよ。
お前になんかあったら、アヴィ達のこと絶対に許さないから」


そう言うと、リドはそっとポケットに手を入れ、何かを取り出す。


「みづき…」


リドはみづきの手を取ると、ピンキーリングをそっとはめる。


「うん。似合ってる」


そう言うと、リドは満足そうに微笑んだ。


「リド、これ!ネックレスとお揃い?!」


みづきは輝く宝石に負けないくらいのキラキラした笑顔でリドに笑いかける。



「ありがとう、リド!
私、必ず帰ってくるから。必ずリドの元へ戻ってくる」


そう言うと、リドの首に抱きつく。


「うわぁ…な、なんだよ…。そんなの当たり前だろ。
お前が帰ってくるまで、俺はちゃんと王子としてこの国を守るよ。
兄貴や、あいつらと、宝石の国を守るから」


「うん…」



「お前が帰ってきたら、その…あー、えっと、
そのリングの意味、教えるから」



「意味?」


「あぁ、宝石屋のオヤジが言ってたんだよ。
でも、その意味を堂々と言えるような王子になれるように頑張るから」



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