第6章 高尾とマネージャー
「でもその時はもう宮地先輩のもので…
ずっと片思いだったんすよ
…でも今は手に入った
宮地先輩みたいに逃がしたりしねぇ」
その時の高尾の目は本物の鷹のような目つきで
獲物を捕らえ、少し喜んでいるようにも見えたが
独占欲が強く瞳にうつし出されていた
着替え終えた俺は脱いだものを全て鞄につめて
バッシュを手にロッカーを閉めた
「…先行ってるから早く着替えて来いよ
じゃなきゃ刺す」
「わかってますよー(笑)」
さっきとは打って変わってお気楽な声
その声を聞いてから俺は部室を出た
「ちぇーっ…
とられた恨みとかで殴りかかってきたらよかったのに…」
そんな高尾の呟きは誰もいないロッカールームに消えていった
「お、早かったな」
「まぁな」
「すいません!遅くなりました…!」
そう言って入ってきたのはもう1人のマネージャー
「大丈夫だ、まだ始まってないしな」
そんな優しい言葉をかけているのは大坪
俺もあんなくらい優しい言葉をかけてやれてたら
愛生とは別れてなかったかもな
…なんてな