第16章 その後
そしてちょうど降りる駅に止まってドアが開いた
「ほら、さっさと降りろよ。駅員に突き出してやるから」
ギッと男を睨みながらそう言った
「くっ…!」
男は渋々と歩き出した
「…あ、一応…立華も来て」
うっわ…立華って呼ぶのすっげー違和感…
まぁ愛生って呼んだら嫌がられるかもしれないしな…
『ッ!…うん…』
その後、駅員にその男を引き渡して
とりあえず今日はこのまま帰ることに
愛生はまた明日にでも警察で話を聞かれるらしい
『…あ、あの!あ、ありがとう…』
「!」
やっと聞けた
俺だけに向けられた、愛生の声
「いや…たいしたことない
それよりも気をつけろよ?前もこんなことあったしな」
『そ、そうだったね…うん、気を付ける』
「いざとなったら高尾に送ってもらえよ?
じゃ、気を付けて帰れよ」
背中を向けて自分の家の方向に歩き出す
『ッ…じゃ、じゃあ!』
グイッと服の後ろを引っ張られた
え?
『…み、宮地くんが送ってって…』
「?!」
こ、これはいい展開…なのか…?