第14章 休憩時間
「じゃあ10分間休憩!」
きた。きてしまった。
休憩ならタオルとドリンクをマネージャーから受け取る
…つまり、だ
愛生と少しでもしゃべれるチャンスってわけだ
別にしゃべれなくても…一言でいいから
愛生の声が聞けたら…
「はい!宮地くん!」
目の前にはタオルとドリンクを手に持った杉本の姿が
…は?え?何?こいつが持ってきたの?
うっわー…まじない轢く
「愛生ちゃんが持ってくるの嫌って言ったから
かわりに持ってきたんだよ?」
…あー…そゆこと…
まぁ渡したくないよなー…俺になんて
なんで渡してくれる前提で考えてたんだろ、俺バカじゃん
「あー…さんきゅ」
「どういたしまして!」
『…私…そんなこと言ってないのに…』
宮地の分のタオルとドリンクを握りしめ
2人とは少し離れたところに立ち尽くす
杉本の嘘を否定するために宮地のところへ行きたいけど行けない
タオルとドリンクも杉本が渡したからいらない
私は…清志のために何もできない