第6章 ★世界で一番好きな人/笹谷武仁
さんの嬌声と、とめどなく溢れ出る愛液が奏でる音だけが、静かな部屋に響く。
肉棒もガチガチに硬くなってきて、いまにも暴発してしまいそうだった。
だけど、舌だけでさんをイかせてみたくなって、そのまま足を押し広げて、さんの恥ずかしい部分をもっと露にさせた。
恥ずかしくてたまらないのに、気持ちいい。
その相反する感情に、さんは「おかしくなっちゃう」とまた甘い声で鳴いた。
「…って普段は凛としてるけど…エッチの時は、虐められるの、好きだよな」
「そんな、こと…」
「ないわけないだろ。ほら、見て。今俺に見られてるんだよ、大事な所をさ」
「んぁっ…や、やだぁ…」
相変わらずいやだいやだと、子供みたいに繰り返してはいたが、さんの花弁からは舌先だけでは拭いきれないほど、淫らな汁が次々と流れ出てくる。
ずずっ、と音をたててそれを飲んでやると、さんはとうとう両手で顔を覆ってしまった。
隠れられなかった耳は真っ赤に染まっている。
「…可愛い」
今まで何度かさんと体を重ねたことはある。
けれど、今日はいつもに増して、可愛く思えた。
そう思えたのは、皮肉にも兄貴のあの一言があったからだろう。
あの一言がきっかけで、いつもとは違う事をしてみようという気になったのだから。
感謝したくはなかったけれど、さんが気持ちよく感じてくれるなら、もうどうでも良かった。
「舌、入れるよ」
「えっ、たけっ…?!」
下腹部でずっと疼いている肉棒と同じように、熱くほてった舌先を尖らせた。
ずりゅずりゅと音をたてて俺の舌先はさんの二枚の花弁の中に埋もれていった。
甘く香しい匂いをかぎつつ、俺の舌がさんの中をじっくりと味わおうと、自然とうねうねとうごめいた。
今まで感じたことのない感触に、さんは身をよじらせて舌先を抜こうとする。
気持ち悪かっただろうか。肉塊を突き刺すのとは勝手が違うから、不快な動きをしてしまったのかもしれない。
そっと顔をあげてさんの様子を伺うと、俺の心配は杞憂だったことが分かった。
だらしなく開いた口からは、下半身と同じようにとろとろと蜜が垂れていた。