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ハイキュー!! まとめ

第15章 スモーキー・ブルース/烏養繋心



「もしもし? さんか?」
『はい。そうです。繋心さん何かありましたか?お義母さん今手が離せなくて』
「あ、そ。いや、別にアンタでいいんだけどよ」
気を遣って母ちゃんに変わってくれようとするさんを引き留めて、用件を告げる。

「今日な、飲みに行くことになってよ」
『そうなんですね』
「ああ。だから夕飯、俺の分いらねぇから」
『分かりました』
「それと遅くなると思うから、悪いけど今日は送っていけない。気を付けて帰れよ」
『はい、ありがとうございます』
「ん。じゃあな」

プッ、と電話を切ると、変な視線を感じてそっちに顔を向けた。

体育館の扉の影から、ニヤニヤした顔でこっちを見ているのは、町内会チームの奴らだ。

「あら~繋心ちゃん? 今のはもしかして?」
「町で噂の?」
「愛しの彼女??」
「なんでお前らこんな時ばっかり調子合せんだよ! 試合で調子合せろよ!」
「や~ん、怒った顔も素敵~」

悪ノリした町内会チームのやつらをしばらく追っかけていたが、体育館の鍵片手に困った顔で笑っている武田先生に見つかって、俺達はその場を退散することにした。


***********

「で! 噂の真相はどうなんだ、繋心!!」

通いなれた居酒屋「おすわり」の座敷に腰を落ち着けるやいなや、嶋田が身を乗り出してきた。

「なんだよ噂って」
「焦らすなよ! さっきの電話の相手だよ、噂の彼女。結婚するんだろ?」
「しねーよ! つーか付き合ってもねーよ」
「は? でも店の手伝いとかしてんだろ?」
「それは、まぁ」
「ナニ? それはどういう事デスカネ?? 俺らに分かるように説明してもらえませんか? 繋心くん??」

真顔で迫る滝ノ上の妙な迫力に押されて、俺は今までの経緯を軽く説明した。
話を聞き終えた嶋田達は納得したようなそうでないような、なんとも言えない顔をしていた。

「あー、なんだ、押しかけ女房ってやつ?」
「お前はめんどくさそうな顔してっけど、話聞く限りいい子じゃん、さん」

俺の話のどこをどう解釈したら「いい子」という評価が出てくるのか小一時間問い詰めたかったが、ため息だけついて首を振った。

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