• テキストサイズ

ハイキュー!! まとめ

第1章 マカロンにまつわるエトセトラ/東峰旭


「はぁ、やっと買えたよ~。待たせちゃってごめんな」

「ううん。レジもすごい混んでたもんね。お疲れ様」

東峰の手に下げられた可愛らしいピンク色の紙袋。
その中にきちんと収まっている小袋の一つを取り出して、東峰はにそっと差し出した。

「えっ?」

「ホワイトデーは明日だけど」

目の前に差し出されたピンクの小袋と東峰の顔を交互に見やって、は困惑の表情を浮かべた。

「え、でも、私チョコあげてない」

本当は、今年こそ渡そうと準備はしていた。
気合をいれて何個も作って、形の綺麗なものを選んで綺麗にラッピングもした。
けれど渡すタイミングを掴めないまま、バレンタインを終えてしまったのだ。

「うん、もらってない。もらってない、けど」

東峰の顔が、試合の時のように真剣な顔に変わった。
一瞬にして変わった空気感に、はどきりとする。
深呼吸をして東峰が言葉を紡ぐ。

「え、と。バレンタインって、女の子が告白する日だろ?だ、だからホワイトデーに男が告白してもいいかなって……いや、いつ告白したっていいんだろうけど…ってあれ、ちょっと待って、ごめん、そうじゃなくて……」

凛々しい顔が一気にへたれた東峰は頭を抱えて唸りだした。
東峰の苦悩をよそに、の頭は今起こっていることに追いつかないでいた。
告白?
東峰が?
誰に?
私に?
いったい何の冗談?

期待をして裏切られた時が怖いからか、の思考はいつにもなくネガティブな方へと向かっていた。
けれどそれを打ち消すように、東峰が顔の前で勢いよく手を合わせて懇願する。

「ごめん!もう一回ちゃんと言わせて!」

目をしばたたかせて平身低頭の東峰を見つめる。
ちらりと顔を上げてこちらを窺う東峰に、はこくりと頷いた。

「、俺の彼女になってください。卒業しても、俺の隣にいて欲しい……いてくれると嬉しい……いてくれると、いいんだけどなぁ…」

初めの勢いはどこへいったのか、だんだんと気弱になる東峰の告白に、は半分呆れつつもそれも彼らしいと受け入れた。
が大きく頷くと、東峰の顔が一気に明るくなる。

「えっ、えっ、いいの?!ホントに?!ホント?!」
/ 299ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp