第1章 マカロンにまつわるエトセトラ/東峰旭
何度もしつこく確認する東峰に、はとうとう堪えきれずにお腹を抱えて笑い出した。
「もう、こんな時まで東峰って東峰なんだね」
声を出して笑うを、大きな影が包んだ。
一瞬何が起こったのか理解ができなかっただったが、背中にまわされた力強い腕に軽い息苦しさを覚え、東峰に抱きしめられていることに気付く。
「こんなに嬉しいことって、ないよ」
頭上から降り注ぐ、優しい東峰の声音にの頬が赤く染まって行く。
お返しと言わんばかりに、も精一杯の勇気を振り絞って東峰を見上げて、言う。
「私の人生の中で、今日が一番幸せな日だよ。…東峰、大好き」
「っ」
みるみるうちに耳まで赤く染まっていく東峰の顔を見上げながら、は幸せを噛みしめたのだった。