第2章 マンネリ解消の方法
朝食を作り終える頃、全員が起きてくる。
各々支度をして朝食をとると、それぞれ学校・仕事場へと向かった。
それを送り出した壮五は、共有ルームの掃除をしたり洗濯したりした。
そして一息ついた頃、寮のインターフォンが鳴る。
最近、セキュリティ強化のため取り付けたドアフォンで来客者を見た壮五は驚いた。
「大和さん!?」
てっきり部屋で寝ていると思っていた大和の姿があったのだ。
「大和さん、今帰りですか!?」
ドアを開けながら壮五は尋ねる。
「あ~・・・皆は?」
「いませんけど」
「良かった」
そう言った大和の顔は、どこか疲れて見える。
「わりぃ、ソウ。コーヒー入れてくんね?」
「構いませんけど・・・」
壮五の返事を聞くと、大和はソファになだれこむ。
「大丈夫ですか?」
コーヒーを大和に差し出し尋ねる壮五。
それを1口飲んで大和は答える。
「あぁ・・・」
「八乙女さんのとこに行ってたんですか?」
「・・・何で分かった」
「え?大体朝帰りの時は八乙女さんちに行ってますよね?」
「あー・・・それもそっか」
「あの、大和さん。今良いですか?」
神妙な面持ちで大和の向かいに腰掛ける壮五。
「どうした?」
「ちょっと相談がありまして・・・」
「おっ、お前さんが相談して来るようになるなんてお兄さん嬉しいな」
「・・・あのですね」
そう言ったきり、なかなか先を言おうとしない壮五。
その様子を見た大和は、何の相談なのか気付く。
「十さんとのことか?」
「え!な、何で分かったんですか!?」
「お前なぁ、それだけ顔赤くして言いにくそうにしてれば分かるっつーの」
大和は再びコーヒーを飲む。
「で?何悩んでんだよ。お前らラブラブしてんだろ?」
「・・・まぁ、そうなんですけど」
「十さん、好きな奴のこと大事にしそうだもんな」
「はい・・・」
「何悩む事があるわけ?」
「あのですね・・・」
しばらくの間があり、壮五が口にした言葉に、大和は耳を疑った。
「セックスに満足感がないんです」