第2章 マンネリ解消の方法
「十さん・・・つーなーしさーん」
龍之介の部屋でいつもより激しく身体を重ね合った2人。
日が昇り始めた頃、壮五は龍之介に声をかける。
「ん~・・・」
「僕、帰りますね」
「んー・・・帰るのー?」
目を擦りながら起き上がる龍之介。
「今日、食事当番なんです。そろそろ出ないと間に合わないので」
「そっか・・・」
龍之介は、ベッドの横に立っていた壮五を抱き締める。
いつもはすっぽり包み込む壮五の胸元に顔を埋める。
「十さん」
それに応えるように、壮五も龍之介を抱きしめた。
数分抱き締めあっていた2人は、どちらからともなく離れる。
そして、壮五は龍之介の部屋を後にした。
「幸せで嬉しいのに何か足りない・・・」
部屋を出た壮五は、ポツリ呟いた。
寮に着き、ソーっと鍵を開け中に入ると、静寂が壮五を出迎える。
「良かった・・・まだ誰も起きてないね」
忍び足で自室へ戻ると、着替えて共有ルームに併設されるキッチンへと向かう。
そして、壁に貼ってあるスケジュール管理表を確認した。
「午前中、一織くん環くんは学校。ナギくんはモデルのお仕事。三月くんと陸くんはバラエティ収録。大和さんはオフ。夕方から全員で特番・・・あ、TRIGGERさんとRe:valeさんも一緒なんだ」
夕方になればまた龍之介に会える、と顔を綻ばせる。
「どうしたんですか?嬉しそうな顔をして」
そこにいきなり声がして、壮五はビクッと体を震わせた。
「いっ、一織くんっ」
「おはようございます」
「お、おはよう」
「何か良い事でも?」
「へっ?いや、別に何でもないよ?」
「そうですか」
「今、朝ご飯作るね」
「よろしくお願いします」
そう言うと、一織はソファに腰掛け、手に持っていた新聞を読み始める。
「コーヒーでも入れようか?」
「自分でしますから逢坂さんは朝食の支度をしていて下さい」
「あ、うん」
真剣に新聞に目を通す一織。
壮五は、朝食の支度に取り掛かった。