第2章 第2章その瞳『幸福』
「生きてる…?」
訳がわからない。
ワシといて楽しい?生きてると感じる?
戦もしたことない子供が何故そんなことを言う。
「扉間様はかまってくれるでしょ?でもみんなは…私を、千としてかまってくれない…私は…みんなに嫌われてるから…。」
「何故そう思う。」
千は近くにあった椅子にトンっと座り、にこやかに笑った。
「千の瞳はね!変なんだって!
みんなは少し茶色がかってるのに、私だけがこんなに金色なんだ…」
千は窓の外の月を見上げながら切なげに言う。
確かに他の十禅寺の者をみていると千の目は
金が強い。
「…それに、私には…痛みがないから…」
「痛み…?」
千は胸をぎゅっと握りしめた。
まるで何かを握るように。
「みんな転ぶと痛いって言うでしょ?傷ができたら痛いって、でも、私にはそれがない…それがないから『お前は死んでる』って言われるの…。」
扉間はそんな千を静かに見つめた。
生きていながらも他のものから
『お前は死んでいる。』それを言われるとゆうことはどれほど辛いのだろうか。
大人はよく「子供だからわからない」と言うが、それは違う。
(わかっているのは子供の方だと言うのにな…。)
扉間はフッと笑い、座っている千の前にかがみ、目線を合わせる。
大きく丸い金の目を見つめる。
「ワシはそうは思わん。
痛みがないのだろう?なら何故お前は胸を握っている?」
「え?」
千は目を見開き、握っていた左胸に目を向ける。
「確かに、痛覚はない。
だが、お前は確かに痛みを感じている。
『死んでいる』と言われた『痛み』を。」
痛みとは人それぞれだ。
扉間はそう言って頭をくしゃくしゃとなでた。
前にも、マダラに頭を撫でられた。
優しく、あやすように。
それに比べればとても乱暴だ。
でも、何故か居心地がよかった。
もっと撫でて。そう言いたくなるような。
「その『痛み』がまだわからなくとも、時間がそれを教えてくれる。だから…あまり急ぐな。子供ならば何も考えず、自由にしろ。」