第1章 第1章その瞳『幸福』
「ツンツンしてるね〜」
「話しを聞けっ!」
「おわっ!?」
おでこを勢いよくデコピンされる。
でも、それがなんだか嬉しかった。
『マダラ様』を見上げると、ため息をついて、また頭を撫でる。
その手は凄く優しかったことを今でも覚えている。
母に「一人で里をみてきなさい」と追い出されるように私はまだ作り途中の里を散歩する。
建物もまだあまりできていない。
散歩しててもつまんないなと思い、私は森の中へ行く。
「湖ー!」
森を少し抜けると、そこには大きい湖があった。
来て気づいたが、ここは自然がとても豊かだ。森があって、土があって、湖があって…空気がとても綺麗だ。
「ここなら広いし、術の修行もできるかな〜」
暇つぶしと修行も兼ねて、私は特訓に励んだ。
「あちゃ…ずぶ濡れだ…」
湖から出ると、服は水分をたっぷりと吸い取り、ズシリと重くなっていた。
来ていた黒いチャイナ服をパシャりと地面に投げ捨て、タンクトップ一枚になる。
水遁の術を練習していたら態勢を崩してそのまま湖へ落ちるなんて自分でもドジだなと思う。
「とりあえず、戻ろうかな!もう夕暮れだしね!!!」
少しずつ落ちて行く夕日をみて、地面の落とした黒いチャイナ服を広い、千は来た道とは
『反対の方向』の森へと入っていった…。
どこまで行っても作り途中の家がない。
むしろ森が深まって行く。
「あれー?こんなに森続いてたけっかな〜?」
千は自分が反対方向に進んでいることに気づいていない。
ここまできて気づかないのは重症だ。
自分の道を信じて歩くが、一向に抜けない。
「なんでかな…」
困りつつも、歩み続ける。
水に濡れたから寒くなってきた。
早く帰りたいのに…。
そう思っていると、一瞬光がみえた。
とりあえず濡れた体と服をなんとかしなくちゃと思い、千は光に向かって走りだす。
たどり着くと、大きく小さくもない一軒家がそこにあった。
どうしてこんな森の中に…?
不思議に思っていると、大きなくしゃみがでてきた。
「さ、寒い、と、とりあえず布貸してもらおうかな…」
千は家の扉をコンコンと叩いた。
風がさぁっと吹き、一層体が冷える。
寒さから耐えるように肩を抱く。
だが、扉は開かない。
明かりはついている。家に人がいるのは確かだと思う。
(うぅ〜寒い〜)
開けてくださーい。そう言おうとした刹那。
