第2章 泣きたくなる夕焼け
人の優しさ、笑顔でいる大切さはカラ松兄さんと十四松から教わり勉強とマナーは主にチョロ松兄さんと一松から教わった。
他人を簡単に信用してはいけない。自分の心を相手に読ませてはいけない。自分の情報は最低限で相手の情報はすべて盗む位の心意気で!とおそ松兄さんとトド松からいつも教えてもらっていた。
はじめの1年半は主にお屋敷で兄さん達を待つことしか出来なかったけれど、外の世界を知り今はカラ松兄さんの表向きの仕事の秘書をしている。
事務所にはおそ松兄さんもチョロ松兄さんも一松も十四松、トド松もいるから楽しいし、自分が少しでも役に立てる事が嬉しかった。
でも、ここ1年あたしは…
あたしの誕生日になると、6人は毎年一緒に祝ってくれて
プレゼントをくれた。
三男のチョロ松兄さんは可愛らしく清楚な洋服、
カラ松兄さんはテディベアだったり可愛らしい小物入れなど女の子らしい物をくれる。
一松は猫の可愛い小物をくれる。
十四松はスポーツ用品
トド松は流行りの甘めの服をプレゼントしてくれる。
おそ松兄さんは、毎年プリザーブドフラワーをくれた。
初めての年は、赤いブーゲンビリア
次の年は、赤いチューリップ
そして去年は、赤いアネモネ
でも去年の誕生日を過ぎたあたりからまともな会話をおそ松兄さんとはしていない。おそ松兄さんからも話し掛けてくることはなくなった。
そして、あたしは見たくないものを何度も何度も見た。その度にどんどんおそ松兄さんとの距離は離れて行った。
もちろんファミリーとしての会話はある。カラ松兄さんとチョロ松兄さん一松、十四松、トド松が話しをしていれば話す。でも昔のようには話せなくなっていた。