第2章 泣きたくなる夕焼け
自宅に三人と戻ったら同じ顔をした三人がいた。
びっくりしながらも
「あ、はじめまして…ユーリと申します…。」
ぺこりと頭を下げると6人がニコニコ笑いながら自己紹介してくれた。
おそ松さんが
「あぁ~言い忘れてたけど、俺たち6つ子なんだよねぇ~。俺は長男様マツノおそ松!」
青いシャツを着崩した人が
「オレはマツノファミリーに生まれし次男カラ松だ!」
緑のシャツのボタンをぴったりと上まで閉めている人は
「僕はチョロ松。三男です。」
紫色のシャツの人はぼそりと
「一松。四男」
黄色いシャツなのに何故か袖が長い人が
「オレ!えーと!五男!足早いよ!」
…名前は…?と聞こうかと思ったときに
ピンク色のシャツを可愛く着ている人が
「もぉ、十四松兄さんちゃんと名前言わなきゃだめだよぉ~。あっ、ボクはトド松だよぉ~!ユーリちゃん困った事あったら何でも言ってねぇ!」
なんとか自己紹介も終わった。
それから何日も経ち、時間の経過と共に親密さは増していった。
マツノファミリーの親も快く迎え入れてくれた。その日からあたしはファミリーの一員になった。
戸籍は家族にはなれなかった。
それでもあたしは良かったけれど。
物心ついた頃から家族なんてものはなかった、あるのは恐怖と痛みのみ。
何故生きているのか?なんて考える余裕も無くて。
ここに来て、可愛いもの、美味しいもの、キレイなもの、その他色々素敵なものを見れた。